まめサヤ日記

おいしいアンコになる為にサヤの中で日々奮闘中

本当にあるんだ、こんな事…

コロナ感染者がまた増えている。

以前搬送先を探すのに何時間もかかったというニュースを見た。

まだ未知の感染症、特効薬も無い、仕方のない事なのかな…

でも当事者からしたらとんでもなく大変だよ。

乏しい想像力の中で漠然とそう思っていた。

 

母がショートステイから明日帰ってくると、少しどんよりしながら夕飯の支度をしていた金曜日。19時に電話が鳴り、母がステイ先で転倒したと連絡が来た。かなり痛がって歩けない、救急搬送したいので来てくれと。

タクシーを呼んで、ちょうど帰って来た旦那と一緒に向かった。救急車は到着しており、程なく母も運ばれて来た。救急車に乗り込みそこから搬送先を探し始める。20時になろうとしていた。

隊員3人がかりで電話をしている。以前入院して母のせん妄がひどくなった病院だけは避けて欲しいとお願いして、あとはもう何処でもと思っていたがなかなか見つからない。

その理由はいくつかあった。

まず転倒の際頭も少しぶつけていた。脳外科と整形がある所、なおかつ入院療養出来る所と条件が多かった。しかし最悪だったのは母がステイに行った翌日、ステイ先の老人ホームでコロナ患者が出た事だ。ショートステイのフロアとホーム入居者のフロアは完全に分かれており、スタッフもダブってはいないらしい。保健所からも濃厚接触には当たらないと言われたらしい。なのにそれを伝えると二の足を踏む病院が多かったようだ。

途中で方針転換、まずは母の足が折れているかの確認、頭が大丈夫かの確認をしてくれる病院を探すことになった。21時過ぎにやっと検査が出来る病院に到着。救急も混んでいてすぐには院内に入れず車内で待たされる。1時間ほどしてようやく入って検査。やはり骨折。左大腿骨頸部骨折。それじゃ歩けないわ。頭は幸い打ったけど異常無し。コロナの抗原検査も陰性。濃厚接触では無かったからか、PCRではなかったのがまたこの後マイナスに働いてしまう。

検査が終わり、そこの病院から入院出来る所を探してもらう。なんとか見つかった病院は台東区。それほど遠くないのでホッとする。出発したのは0時だった。

30分くらいで到着。救急処置室の外で待っていると中から看護師さんの半分怒った声。コロナの件がうまく伝わっておらず、いくら抗原マイナスでもダメと。スタッフの接触無くても更衣室などが一緒だったらわからない、万一コロナだったらウチみたいな小さな病院すぐ拡がってしまう、責任取れますか?と救急隊員に喰ってかかっている。あの〜、外まで聞こえてますけど…イヤな気持ちになりつつも病院側の事情もわかる。結局また一からやり直し。話の行き違いがあって…と申し訳なさそうに話す隊員さんが気の毒で仕方ない。

また救急車に乗り病院探し。だがこの救急隊が所属の部署で救急車が足りなくなり、近くの隊に引き継ぐと言う。6時間ぐらいずっと頑張ってくれた綾瀬救急隊さん、ありがとう。

次に来たのは浅草の近くの今戸救急隊。また電話が始まる。もう何処でもいいから早く母を病院に行かせてあげたい。

救急隊員さんが私と旦那が夕飯食べて無いと聞いて、まだしばらく時間かかるから近くのコンビニに行くよう言ってくれた。夜中の2時過ぎてるけどね。絶望的に病院見つからないから無理にでも腹に入れておかないともたないよね。食べて戻ると車内の電気消してくれて、少し寝るように勧められた。まぁ寝られないけど。

3時過ぎにやっと光が見えた。杉並区の病院が受け入れてくれるとのこと!都内横断にはなるけどなんとか23区で踏みとどまった。一時は都下の市の病院でもいいか聞かれて、いいとは言ったけど内心ヒヤヒヤだったから。

杉並区の病院に着いたのは4時過ぎだった。今戸救急隊さん、ありがとう。行きはサイレンあったから30分くらいだったけど、帰りは普通に走るから夜が明けちゃうね。本当にありがとう。

入院の為の検査や手続きなど、待たされる時間もあったから病院を出たのは6時半近く。明るくなり始めていた。完徹の体を引きずるように電車で1時間ちょっと。朝食買って家に着いたのは8時半だった。ゆっくり寝たいけど、入院手続きや必要な荷物を持って行かねばならず、また昼には病院へ出かけ、帰ってホッと一息着いたのは18時ごろ。ほぼ24時間かかった。

 

救急隊員さんに聞いたら、コロナが凄かった時24時間、48時間ってのもあったって言ってた。でもまさか骨折でこれだけ苦戦するのは珍しかったみたい。感謝しかない。

自分がこんな経験するとは想像もつかなかった。ずっと痛みを訴えていた母が一番辛かったと思うが、なす術なく待つだけもキツかった。

母は明日月曜日には手術を受け、すぐにリハビリも始まるらしい。どのくらいでどこまで回復するかはわからない。88歳、脳梗塞の後遺症も少しあるし元通りとは行くまい。あじゃこじゃ考えてもしょうがないので、その時が来たら対処しよう。母には悪いが面会も禁止なので週一洗濯物交換ぐらいしか行けないし、束の間の休みを取らせてもらう事にしよう。