野良犬

今週のお題「怖い話」

霊感など微塵もない。でもテレビの心霊特集とかは苦手。そんな私の怖い話。

最近は全く見なくなった野良犬。30年近く前だったかな。その頃だって野良犬はほとんど見なくなってたけど…

ある日駅まで歩いてる途中、道の先に中型の野良犬。犬は元々苦手だし目が合うとロクな事がないからなるべく見ないようにしている。でも奴は私が曲がろうとするあたりをウロついていた。ちょっと緊張しつつ犬なんかいない体で道を曲がる。ついて来る様子は無い。ホッとしながら歩いていると井戸端会議中のオバチャン。

「…よく居るのよ」「…利口なのよ」

断片的に聞こえる話に「？」と思った瞬間、私のすぐ横にさっきの犬が！手のあたりに鼻先があって上目使いに私を見ながら一緒に歩いてる〜！落ち着け、無視無視💦

焦る私を逆に無視するように奴はスーッと先へ歩いて行ってしまった。よかった〜と思っていると何故か私が次に曲がるあたりでピタリと止まった。とにかく居ないものと思ってひたすら歩く。道を曲がると奴はまた先へ。そしてまた曲がる予定のあたりで止まる。パニックになりかけながら細い路地に入った時、奴はちょっと先の横道に入っていった。よかった私は真っ直ぐだ、やっと居なくなってくれた…と思った瞬間だった。横道は数メートル先でまた合流していたのだ。そんなの知らない私の目の前にサッと現れた奴。さすがに私もびっくりして立ち止まった。すると奴はニヤッと口を開けて笑ったのだ。ゾワ〜〜ッ😱全身鳥肌の私に背を向け奴は何処かへ行ってしまった。

あの野良犬は一体何だったのか。本当にお利口さんで人間をからかって遊んでいたのか、それとも犬に生まれ変わった人なのか…友だちに話しても笑い話になってしまうのだが、私にとっては物凄く怖い体験だった。